名前が似ているVPSとVPN、何が違う?

VPSとよく似た響きの略語に「VPN」があります。今回は、VPNの仕組みや、VPSとVPNの関係などについて紹介します。

 

■VPSとVPNは異なる

■VPNの前に---LANの仕組み

■LANどうしを接続するVPN

■VPSをVPNサーバーとして使うことも可能

 

■VPSとVPNは異なる

「VPS」と「VPN」は最後の1文字が違うだけで、よく似た略語です。一見すると、関係があるように思えるのではないでしょうか?

VPS/VPNの「VP」の部分は、いずれも「Virtual Private」の略で、「自分専用に仮想化したもの」を意味します。この点では、VPSとVPNは似ているとも言えます。

しかし、最後の1文字は前者が「Server」、後者が「Network」です。VPSはサーバーを仮想化するものであるのに対し、VPNはネットワークを仮想化するもので、仮想化する対象が違います。

 

■VPNの前に---LANの仕組み

それでは、VPNとはいったいどういうものなのでしょうか?VPNはLAN(Local Area Network)と密接に関連する技術ですので、まずはLANについて押さえておきましょう。

LANは、同じビルの中などの狭い範囲にある複数のコンピュータをネットワークで接続して、さまざまな情報を共有する仕組みです。

大規模LANの場合だと、サーバーのコンピュータを置いて、LANを一元的に管理することが一般的です。一方、家庭内などの小規模なLANだと、サーバーを使わずに、個々のコンピュータを対等に接続することが一般的です。

LANを使うと、以下のようなことを行うことができます。

 

・ファイル共有

あるコンピュータにあるファイルを、他のコンピュータにコピーしたり、そのファイルを他のコンピュータからアプリケーションソフトで直接に開いたりすることができます。また、NAS(※)をLANに接続して、そこでファイルを共有することもできます。

 

(※)NAS

「Network Attached Storage」の略で、LANに直接に接続するハードディスクなどのことです。LANに接続した個々のコンピュータからは、外付けのハードディスクのように扱うことができます。

 

・プリンタ共有

プリンタをLANに接続して、1台のプリンタに対して、複数のコンピュータから文書を印刷することができます。それぞれのコンピュータにプリンタを接続しなくても良いので、コスト削減につながります。

 

・グループウェア

タスク管理/会議室管理/電子掲示板など、グループでの仕事を管理するソフトのことを、「グループウェア」と呼びます。LAN内のコンピュータにグループウェアを導入して、仕事の効率化に役立てることができます。

 

・リモートデスクトップ

あるコンピュータに、他のコンピュータのディスプレイの内容をそのまま表示して、そのコンピュータを遠隔操作することができるようにする仕組みのことです。

 

 

■LANどうしを接続するVPN

LANでは、近くにあるコンピュータどうしを、ケーブルもしくは無線(Wi-Fi)で接続します。しかし、企業の本社と支社の間など、遠く離れたコンピュータ同士を接続したい場合もあります。

かつては、接続する2か所の間に専用線を引くという手法がとられていました。しかし、専用線は非常にコストがかかります。そこで、専用線の代わりに、インターネットなどの既存の広域ネットワークを使う方法をとることが一般的になりました。この仕組みをVPNと呼びます(図1)。

 

図1 VPNでLANどうしを接続する

図1 VPNでLANどうしを接続する

 

・インターネットVPNとIP-VPN

VPNではネットワーク同士を接続しますが、その接続方法によって、「インターネットVPN」と「IP-VPN」に大別されます。

インターネットVPNは、名前の通りインターネットを経由して2つのネットワークを接続する方法です。利用料金を抑えることができますが、インターネットを経由するためにセキュリティ面がやや弱いというデメリットがあります。また、インターネットの接続は一般的にはベストエフォート(※)なので、状況によっては通信が遅くなることもあります。

一方のIP-VPNは、インターネットではなく、通信事業者が保有している通信網を利用するVPNです。通信事業者の通信網内では、インターネットトラフィックの影響を受けません。インターネットVPNと比較し、通信品質が高いことがメリットです。また、サービスによっては通信速度が保証されることもあります。一方、料金は高額になります。

 

(※)ベストエフォート

通信速度が一定ではなく、利用状況によって速くなったり遅くなったりすることを指します。

 

・拠点間接続とリモートアクセス

VPNの方式のもう1つの分類として、「拠点間接続」と「リモートアクセス」があります。

拠点間接続は、2ヵ所以上の拠点の間をVPNで接続する方式を指します。会社の本社と支社の間など、主に大規模なネットワークを作る際に使われます。一般には、各拠点のLANに、VPN対応のルータを接続して構築します。

一方のリモートアクセスは、ノートパソコンやスマートフォンなどから、会社などのLANに接続するタイプのVPNです。また、自宅のパソコンに対して、外出先からアクセスするような際にもリモートアクセスのVPNを使うことができます。この場合は、LANにはリモートアクセスに対応したルータを接続し、ノートパソコンなどはリモートアクセスのための設定を行います。

 

 

■VPSをVPNサーバーとして使うことも可能

ここまでで見てきたように、VPSとVPNの響きは似ていますが、それぞれ別の技術です。ただ、VPSとVPNに全く関係がないかと言うと、そうではありません。

VPNにはさまざまな方式がありますが、その1つとして、VPN用のサーバーを用意して、パソコンやスマートフォンなどからそこに接続するという方式があります。サーバーのソフトをVPSにインストールすることもできますので、「VPSをVPNサーバーとして使う」という使い道もあります。

無料で使えるVPNサーバーソフトとして、「OpenVPN」や「SoftEther VPN Server」があります。これらをVPSにインストールする手順は、多くのサイトで紹介されていますので、興味がある方は参考にしてみると良いでしょう。

 

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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