VPSとAmazon Web Services(AWS)の違いを比較

VPSをよく使うようになると、クラウド系のサービスと比較する場面が出てきます。中でも、AWS(Amazon Web Services)は最大の比較対象と言えます。今回は、VPSとAWSの違いについて解説します。

 

■AWSはクラウドの百貨店

■AWSが提供する主なサービス

■AWSとVPSの違い

■VPSとうまく使い分けたい

 

■AWSはクラウドの百貨店

今や「クラウド」はごく一般的になり、さまざまなサービスがクラウドで提供されるようになりました。各種のクラウドの中で、VPSと性質が近い「クラウドサーバー」も、海外・国内を問わず様々なサービスが展開されています。また、例えば「データベース専用のクラウド」のように、さまざまに特化したクラウドも存在しています。

このように、クラウドが広く使われるようになる中で、初期のころから広く使われていて、現在も高いシェアを誇っているのが、Amazonが提供しているAmazon Web Services(AWS)です。

AWSは、クラウドを利用したさまざまなサービスを提供していて、まさに「クラウドの百貨店」といった感じがあります。また、「Web Services」の名前の通り、Webベースの仕組みを使って管理することができます。

 

■AWSが提供する主なサービス

AWSには多くのサービスがありますが、その中から主なサービスを取り上げて、その概要を紹介します。

 

・Amazon EC2

AWSのサービスの中で、中心となるものとして、「Amazon EC2」があります。「EC2」は「Elastic Compute Cloud」の略です。

Amazon EC2は、一般的なクラウドサーバーと同様のサービスで、仮想化されたサーバーを使うことができます。インスタンス(個々の仮想サーバー)のスペックは、多くの選択肢の中から選ぶことができます。

root権限を得ることができますので、OSの設定を変えたり、各種のサーバーソフトをインストールしたりすることも、自由に行うことができます。

また、OSインストール済みのイメージ(AMI=Amazon Machine Image)が多数用意されています。Amazonが提供しているものだけでなく、世界中のユーザーが登録したものも多数あり、幅広いOSを使うことができます。

 

・Amazon S3

Amazon S3は、クラウドストレージにあたるサービスです。S3は「Simple Storage Service」の略です。「バケット」(Bucket)と呼ばれる入れ物に、さまざまなファイルを保存することができます。

また、保存したファイルを、Webブラウザからアクセス可能にすることもできます。静的なHTMLファイルや、CSS/JavaScript/画像などのファイルをS3で公開することで、比較的安いランニングコストで静的サイトを作ることができます。

 

・Amazon RDS

Amazon RDSは、データベース専用のクラウドです。RDSは「Relational Database Service」の略です。名前の通り、各種のリレーショナルデータベースソフト(MySQL/PostgreSQL/Oracle/SQL Serverなど)を、クラウドの形で利用することができます。

動的なWebサイトを構築する際には、データベースがボトルネックとなることがよくあり、データベースの性能を上げたいこともよくあります。Amazon RDSはこのような用途に適しています。

 

・Amazon CloudFront

Amazon CloudFrontは、CDNのサービスです。CDNは「Contents Delivery Network」の略で、HTMLなどのファイルを、世界各地にあるサーバーにキャッシュして配信する仕組みのことです。

一般的に、信号の通信は光に近い速度で行われますが、それでも通信する距離が長くなると時間がかかります。企業のサイトなど、世界中からアクセスされるWebサイトを作る場合、サーバーが日本にしかないと、日本から遠く離れた国からアクセスしたときに、ページの表示に時間がかかってしまいます。

そこで、CDNを使って世界各地のサーバーにHTML等を配信し、アクセス元に近いサーバーが応答するようにして、アクセスの速度を上げることができます。

 

・Elastic Load Balancing

ロードバランサのサービスで、一般に「ELB」と略します。複数のAmazon EC2のサーバーと組み合わせて、負荷を分散させることができます。

単純な負荷分散を行う「Classic Load Balancer」と、リクエストに応じた複雑な負荷分散を行う「Application Load Balancer」の2種類のサービスがあります。

 

 

■AWSとVPSの違い

ここまでの話をもとに、AWSとVPSの違いをまとめます。

 

・自由度の高さ

まず、AWSはVPSと比べて非常に自由度が高いです。AWSでは、さまざまなサービスを組み合わせて、非常に柔軟な構成を作ることができます。

例えば、比較的シンプルなWebサイトを構築する場合だと、最初は1台のAmazon EC2だけでスタートすることができます。

また、のちのちアクセスが増えてきた場合、Amazon EC2のインスタンスのスペックを上げたり、静的ファイルをAmazon S3に移動したりすることができます。

さらに負荷が上がってきたら、Amazon EC2のインスタンスを増やしてELBで負荷分散したり、Amazon RDBと組み合わせてデータベースを別サーバーに移動したりすることもできます。このように、状況に応じて構成を変えていくことができます。

 

・管理のしやすさ

AWSは自由度が高いですが、その分管理するのは難しくなります。Amazon EC2を1台使うだけならVPSとさほど変わりませんが、様々なサービスを組み合わせるとなると複雑になっていきます。

一方で、AWSではAPI(※)が公開されているので、スクリプトを組める人であれば、管理をある程度自動化することができるというメリットがあります。

 

(※)API

Application Programming Interfaceの略で、プログラムから各種のサービスなどをコントロールするための仕組みのこと。

 

・料金体系の違い

VPSとAWSとの大きな違いとして、料金体系を挙げることができます。

国内のVPSでは、大半が月額固定料金制をとっていて、利用状況によって料金が変わることはありません。

一方、AWSは従量料金制をとっています。また、サービスによって、時間単位で課金されるものもあれば、転送量などの利用状況に応じて課金されるものもあります。そのため、事前に料金がどのぐらいかかるか判断しにくいという欠点があります。

VPSでできる程度のことをAWSでする場合、VPSよりも高額になることが多いです。一方、多数のサービスを組み合わせてVPSでできないような複雑な作業をする場合は、専用サーバーなどを組み合わせるよりも安く済みます。

 

 

■VPSとうまく使い分けたい

AWSは非常に柔軟かつ強力で、さまざまな構成をとることができます。ただ、VPSで十分なことを行うだけならVPSよりもコストが高額になりますので、メリットがあまりありません。状況に応じて、VPSとAWSをうまく使い分けることが必要です。

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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