VPSと専用サーバーの違い

VPSは専用サーバーに近い使い勝手を得ることができますが、専用サーバーそのものとは違う点もあります。今回は、VPSと専用サーバーの違いをまとめます。

 

■専用サーバーの概要

■VPSと専用サーバーの似ている点

■VPSと専用サーバーの異なる点

■利用する機会は少ないが頭には入れておこう

 

■専用サーバーの概要

VPSと専用サーバーの違いを解説する前に、まず専用サーバーがどういったものなのかということから、まとめておきましょう。

専用サーバーは、その名前の通り、1台のサーバーマシンを丸ごと借りることができるサービスです。サーバーマシンは、通常は業者が用意したものを使います。マシンのスペックは、複数のプランから選ぶことができる場合が多いです。

サーバーを占有して使うことができますので、自由度は非常に高くなります。例えば、インストールするOSやソフトは自由に選ぶことができますし、root権限も通常はありますので作業を自由に行うことができます。また、サーバーの性能を他のユーザーと分け合うこともありません。

管理やメンテナンスは、自分で行うことが多いです。ただ、それらの一部(または全部)を業者に任せることができる場合もあります(マネージドサービス)。

 

 

■VPSと専用サーバーの似ている点

VPSは「Virtual Private Server」の略で、日本語では「仮想専用サーバー」と呼びます。その名の通り、VPSは専用サーバーに近い感覚で使うことができ、似ている面があります。

まず、自由度の高さの点では、VPSは専用サーバーに近いものがあります。レンタルサーバーだと、管理は業者が行っているので、OSの設定やサーバーソフトの構成を変えることはできません。一方、VPSなら通常はroot権限を得ることができますので、用途に応じてOSなどの設定や構成を変えることができます。

また、管理やメンテナンスを自分で行うという点も、VPSと専用サーバーで共通しています。OSやサーバーソフトのセキュリティアップデートを行ったり、データのバックアップを行ったりなど、日々のメンテナンス作業が必要になります。

 

 

■VPSと専用サーバーの異なる点

VPSと専用サーバーには似ている点もありますが、異なる点ももちろんあります。

 

・パフォーマンスの違い

まず、専用サーバーはVPSと比べるとパフォーマンスが高いです。

VPSは仮想化を行っているため、物理的なサーバーと比較すると、ディスクやネットワークなどへアクセスする際に、仮想ハードウェアと実ハードウェアの間での変換処理が必要になります。その処理に時間がかかり、ボトルネックになります。現在のハイパーバイザー(仮想化を行うための技術のこと)では準仮想化に対応していて、ハードウェアへのアクセスのボトルネックは少なくなっているものの、ゼロではありません。

また、専用サーバーでは1台のサーバーを占有するので、他のユーザーの影響を受けて処理速度が落ちたり、他のユーザーの障害の影響でサーバーが止まったりすることもありません。

 

・自由度の違い

VPSも自由度が高く、たいていのユーザーには十分なレベルです。ただ、専用サーバーはVPSよりもさらに自由度が高くなります。特に、OSの選択の自由度に差があります。

VPSでは、OSの選択肢を増やすと、それだけ業者側のサポートの負担が大きくなりますので、OSの選択肢がある程度限定されます。

一方、専用サーバーはOSも自由に選ぶことができます。Cent OSやUbuntuはもちろんのこと、RHEL(※)やWindows Serverなどの商用のOSをインストールしたり、Free BSD(※)などのVPSではあまりサポートされていないOSをインストールしたりすることも可能です。

 

(※)RHEL(Red Hat Enterprise Linux)

Red Hat社が提供しているLinuxのディストリビューションで、有償(サブスクリプション制)になっています。Cent OSなどとは異なり、Red Hat社のサポートを受けることができます。

 

(※)Free BSD

オープンソースのUNIXの一種で、カリフォルニア大学バークレー校がかつて開発していたBSDを源流としています。

 

・ハードウェアの持ち込みが可能な場合も

専用サーバーでは、業者が提供するハードウェアを使う形態になっていることが多いです。一方で、「ハウジング」(Housing)という形態であれば、自分が用意したハードウェアを使うことができます。

ハウジングは、データセンターのラックと回線だけを借りて、サーバーマシンは自前で用意するタイプのサービスです。サーバーマシンの構成を自由に決めることができますので、自分が行いたいことに最適化したサーバーマシンを使うことができます。

 

・コストの違い

専用サーバーにはここまでで述べたメリットがある一方で、もちろんデメリットもあります。最大のデメリットは、「コストが高い」という点です。専用サーバーは1台のサーバーを丸ごと借り切るサービスなので、レンタルサーバーやVPSと比べると、料金はかなり高くなります。

業者によりますが、初期費用として、サーバーのハードウェアに相当する程度の金額(数万円~数十万円)がかかることが一般的です。また、月額費用も数千円~数万円かかります。

VPSだとワンコインから気楽に始められるプランもありますが、専用サーバーでは難しいでしょう。

 

・構成を変えにくい

専用サーバーは、VPSと比べると、サーバーの構成を変えにくい面があります。

例えば、Webサイトを運営していて負荷が増大してきた場合、VPSだと上位のプランに切り替えたり、複数のVPSを組み合わせて複数台構成にしたりなど、比較的対策を取りやすいです。一方、専用サーバーの場合、サーバーマシンのスペックをすぐに変えることはできませんし、台数を増やすとコストが非常にかかります。

しかし、業者によっては、専用サーバーをクラウドと組み合わせるなどして、柔軟なサーバー構成を取れる場合もあります。

 

 

■利用する機会は少ないが頭には入れておこう

ここまでで述べたように、専用サーバーは自由度やパフォーマンスが高い一方で、コストが非常に高く、気軽に使えるものではありません。VPSとレンタルサーバーで迷っているぐらいのレベルの方だと、専用サーバーを使うことはまずないと思います。

ただ、大規模案件では、専用サーバーが必要になる場面もあります。また、VPSの運用で得た経験は、専用サーバーでも生かすことができます。専用サーバーのことも選択肢のひとつとして知っておくとよいでしょう。

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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