VPSとクラウドの違い

VPSを検討する際に、「クラウド」も検討対象に挙がることが多いのではないでしょうか。そこで今回は、VPSとクラウドの違いについてまとめます。

 

■そもそも「クラウド」って何?

■VPSとクラウドサーバーの似ているところ

■VPSとクラウドサーバーの違うところ

■VPSとクラウドサーバーも使い分けが必要

 

■そもそも「クラウド」って何?

VPSの比較対象として、よく挙がるのが「クラウド」です。では、そもそもクラウドとは何なのでしょうか?VPSとクラウドを正しく比較するために、まずこの点を理解しておきましょう。

クラウドは、「クラウドコンピューティング」(Cloud Computing)を略した言葉です。また、クラウド(Cloud)の英語のもともとの意味は「雲」です。インターネットを雲に例え、インターネットに接続されている多数のコンピュータからサービスを受けることを、クラウドコンピューティングと呼ぶようになりました。

今では、「クラウド」と呼ばれるサービスは多数あり、幅広い意味で使われています。ただ、仕組み的に大きく分けると、「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分けることができます。

 

・SaaS(Software as a Service)

クラウドの中で、広く使われているのが、「SaaS」形態のサービスです。SaaSは「Software as a Service」の略で、平たく言えば、インターネットを使って各種のアプリケーションを提供する仕組みを指します。

例えば、ワープロや表計算などのビジネスアプリとして、現在ではGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなど、Googleが提供するサービスを使うことが多くなりました。これらのサービスは、インターネットに接続された多数のコンピュータを利用して、ビジネスアプリの機能を提供したり、文書データを保管したりするので、SaaSに該当します。

 

・PaaS(Platform as a Service)

開発者向けのクラウドとして、「PaaS」(Platform as a Service)があります。PaaSは、アプリケーション等の開発に使うプラットフォームを、クラウドの形で提供するものです。

例えば、Googleはアプリケーション開発のプラットフォームとして、「Google App Engine」を提供しています。これはPaaSであると言えます。このほか、マイクロソフトの「Microsoft Azure」や、アマゾンの「Amazon Web Services」(AWS)も、PaaSに分類されるサービスです。

 

・IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、CPU/メモリ/ディスク等のハードウェアや、ネットワーク回線など、インフラをクラウドの形で提供するサービスです。

このところ、「クラウドサーバー」という用語を聞くことが多くなりました。例えば、AWSのサービスの1つである「Amazon EC2」は、非常によく使われているクラウドサーバーです。また、国内にも多くのクラウドサーバーのサービスがあります。

クラウドサーバーは、VPSと同様に、OSがインストールされた仮想サーバーを借りることができるサービスです。その上で何を行うかは、ユーザーが自由に決めることができますので、クラウドサーバーはIaaSの一種と言えます。

「VPSとクラウドを比較」という場合、比較対象になるのは、ここで述べたクラウドサーバーにあたります。

 

 

■VPSとクラウドサーバーの似ているところ

VPSとクラウドサーバーが比較されるのは、似ている面があるためです。そこで、どこが似ているかをまとめてみましょう。

 

・仮想サーバーである

まず、「VPSとクラウドサーバーは共に、仮想サーバーである」という点があげられます。専用サーバーとは異なり、1台のサーバーマシンを複数のユーザーで共用しつつも、仮想化によって専用サーバーと同じように使うことができます。

 

・自分で管理する

共用型のレンタルサーバーとは異なり、VPS/クラウドサーバーとも、自分で管理します(一部のマネージドサービスを除く)。

root権限を得ることができますので、各種のサーバーソフトを自由にインストールし、設定することができるメリットがあります。一方、導入時の設定や、運用中のメンテナンスや障害対応などを、自分で行っていく必要があります。

 

・スペックを選ぶことができる

仮想マシンのスペックも、CPUのコア数/メモリ容量/ディスク容量の組み合わせによって、いくつかの選択肢の中から選ぶことができます。また、バックアップなどのオプションサービスも選択できる場合があります。

 

 

■VPSとクラウドサーバーの違うところ

・自由度の高さ

VPSはレンタルサーバーよりは自由度が高いですが、クラウドは更に自由度が高いものになります。

サーバーのスケールアップ/ダウンやスケールアウト/インを柔軟に行うことができたり、複数台のサーバーをネットワーク構成にできたりなど、幅広い構成を作ることができます。一方、VPSは基本的にはサーバー1台の構成で使うことが前提であり、そこまで複雑な構成をとれない場合が多いです。

 

・障害に強い

VPSでもクラウドでも、サーバーが故障することがあります。クラウドは、故障が発生することを前提としたシステム構成を取ることが出来ます。クラウドはリージョン(地域)やアベイラビリティーゾーン(電源レベルで設備を分離したグループ、一つのリージョンに2つ以上存在)を選択し、サーバーを作ることが出来ます。システムを2つ以上のアベイラビリティーゾーンを跨がり作っておけば、片方に故障が発生した場合でも、システムが止まることがありません。また、リージョンを跨がりシステムを作っておけば、日本でよく起こる地震災害にも対応出来る可能性があります。クラウドでは、冗長化※したサーバーを地理的に離れた別々のデータセンターに収容し、地震等の大災害にも耐えられるようになっていることが一般的です。

 

(※)冗長化(じょうちょうか)
サーバーなどの装置で、同じ構成のものを複数台用意し、1台が故障したとしても、即座に予備のものに切り替えて、動作を続けられるようにする仕組みのことです。

 

・料金体系の違い

VPSでは大半が月額固定料金制をとっています。一方、クラウドは時間単位などの従量料金制をとっているところ多いです。また、サーバー本体だけでなく、ネットワークの通信量などの複数の要因によって、料金が複雑に変わる場合もあります。

一般的に、同程度の性能・機能のサーバーを1ケ月使う場合は、VPSよりもクラウドサーバーの方が料金が高くなることが多いです。

 

 

■VPSとクラウドサーバーも使い分けが必要

VPSとクラウドクラウドサーバーには似ている面がありますが、自由度や料金などにおいて違いがあります。VPSで済むレベルのことであれば無理にクラウドサーバーを使う必要はありませんが、VPSでは厳しそうな場合はクラウドサーバーも検討してみると良いでしょう。

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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