VPSとレンタルサーバー(共用サーバー)の違い

これまでの記事でも何度か述べてきましたが、レンタルサーバーとVPSとは仕組みなどの点で違いがあります。
今回は両者の違いについてまとめます。

 

■レンタルサーバーの基本的な仕組み

■VPSの基本的な仕組み

■扱いやすさと自由度のバランスが大きな違い

■他のユーザーの影響も違う

■用途に応じてレンタルサーバーとVPSを使い分けよう

 

■レンタルサーバーの基本的な仕組み

レンタルサーバーとVPSは、いずれも「1台のサーバーを複数のユーザーで共用する」という共通点があります。しかし、動作の仕組みが異なり、それぞれにメリット/デメリットがあります。まず、レンタルサーバーの基本的な仕組みから解説します。
レンタルサーバーは、UNIXやWindowsなどのOSに、Webサーバーやメールサーバーなどの各種のサーバー用ソフトをインストールして動作させ、多くのユーザーに貸し出すものです。
これらのOSは、1台のコンピュータに複数のユーザーが同時にログインして使うことができるように作られています。また、ディスク上のファイルにはアクセス権を設定することができ、あるユーザーが作成したファイルを、他のユーザーが勝手に操作することを禁止することが可能です。
さらに、Webサーバー等のサーバー用ソフトも、複数のユーザーが同時に利用することを前提にした設計になっていることが多いです。例えば、WebサーバーのApacheでは、ユーザーごとに公開サイトのファイルの保存先を設定したり、アクセスされるドメイン名(○○○.comなど)ごとにファイルの保存先を指定したりすることができます。
レンタルサーバーでは、このような仕組みをベースにすることで、1台のサーバーを多くのユーザーにレンタルして、同時に使うことができるようになっています(図1)。

 

図1 レンタルサーバーの仕組み

図1 レンタルサーバーの仕組み

 

■VPSの基本的な仕組み

VPSの仕組みはこれまでの記事ですでに述べてきましたが、再度まとめておきましょう。

VPSは「Virtual Private Server」の略で、日本語では「仮想専用サーバー」と呼びます。1台のサーバーを占有する「専用サーバー」のような使い勝手を得られる一方で、実際には1台のコンピュータの上で複数のOSが同時に動作していて、専用サーバーよりもはるかに低いコストで利用することができます。

VPSは「仮想化」という技術を元にしています。仮想化とは、1台のコンピュータの上で、複数の仮想的なコンピュータ(仮想マシン)を同時に実行し、それらにハードウェア(CPU/メモリ/ディスクなど)を割り当てて、それぞれの仮想マシンがあたかも1台のコンピュータであるかのように動作させる仕組みです。
それぞれの仮想マシンでは異なるOSを動作させることもできます。また、それぞれの仮想マシンは、他の仮想マシンの影響を受けずに動作させることができます。
この仮想化の仕組みを利用して、それぞれの仮想マシンをユーザーにレンタルするのが、VPSの基本的な仕組みになります(図2)。

 

図2ハイパーバイザー型の仮想型の仕組み

図2 VPSの仕組み

 

■扱いやすさと自由度のバランスが大きな違い

レンタルサーバーとVPSでは仕組みが異なりますが、扱いやすさと自由度のバランスにも大きな違いがあります。
レンタルサーバーでは、業者側でOSや各種サーバーをセットアップした状態で、ユーザーにレンタルしています。また、日々のメンテナンスも業者が行います。さらに、最近のレンタルサーバーでは、テスト環境から本番環境への公開が行いやすくなっていたり、WordPressに最適化していたりなど、サービスが充実しているところもあります。そのため、レンタルサーバーはユーザーにとって扱いやすく、自分がやりたい作業に集中することができるというメリットがあります。

しかし、その反面自由度は低いです。ユーザーがOSや各種サーバーの設定を変えることはできませんので、少し変わったことをしようとすると、壁にぶち当たってしまいます。

一方のVPSは、扱いやすさの面ではレンタルサーバーに劣ります。業者によって差はありますが、VPSを使い始めた時点では、OSや各種サーバーソフトは最小限インストールされているだけです。入っていないサーバーソフトは自分でインストールします。また、OSやサーバーソフトの設定も自分で行います。さらに、日々のメンテナンスも、自分で行う部分が多いです。

しかし、自由度はレンタルサーバーよりもはるかに上です。サーバーを管理する権限(root権限)を得ることができますので、OSや各種サーバーソフトの設定を変えたり、あまり一般的ではないソフトをインストールしたりと、専用サーバーとほぼ同様の作業を行うことができます。

 

■他のユーザーの影響も違う

レンタルサーバー/VPSともに、1台のサーバーを複数のユーザーで共用するので、他のユーザーの影響を受ける場合があります。ただ、レンタルサーバーと比べると、VPSは影響を受けることが少ないです。

レンタルサーバーでは、CPUやメモリなどのハードウェアを、各ユーザーが共用する形になっています。そのため、同じサーバーを使っている誰かが負荷の高い処理を行うと、自分の処理が重くなることが起こり得ます。

一方のVPSでは、CPUやメモリはユーザーごとに明示的に割り当てられ、それ以上使うことは制限されます。そのため、他のユーザーが負荷の高い処理を行っているとしても、その影響を受けにくくなります。

 

■用途に応じてレンタルサーバーとVPSを使い分けよう

ここまで述べたように、レンタルサーバーとVPSにはそれぞれメリット/デメリットがあります。自分がやりたいことから、レンタルサーバーとVPSのどちらが適しているかをよく考えたうえで、適切な方を選択することが必要です。

あまり複雑でなく、レンタルサーバーの枠内で十分な作業であればレンタルサーバーをおすすめします。しかし、レンタルサーバーの枠内を出るような作業を行いたい場合は、VPSの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

近年はますますインターネットが進化して、より高度なことを求められる機会が増えています。これまでレンタルサーバーしか使ったことがない方でも、VPSを使う機会はいずれ訪れるでしょう。月額料金がワンコインで収まるVPSもありますので(例:VPSクラウドの「512M-SSDタイプ」)、学習や実験のためにVPSを借りてみて、将来に備えると良いでしょう。

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

オススメ記事

関連サービス

VPS VPSクラウド