VPSのデメリット

前回の記事で、VPSのメリットを挙げました。しかし、メリットがある一方で、デメリットもあります。そこで今回は、VPSのデメリットをまとめます。

 

■サーバー構築は自分で行う必要がある
■運用開始後のメンテナンスも自分で行う
■クラウドや専用サーバーには及ばない面も
■構築やメンテナンスを任せてデメリットを減らす手も

 

■サーバー構築は自分で行う必要がある

VPSの大きなデメリットは、レンタルサーバーと違い「サーバー構築を自分で行う」という点です。VPSでは、サービスを契約した時点ではOSが最低限動作するだけで、一般的には細かい設定は行われていないことが多いです。また、各種サーバーソフトも、インストールされていても十分に設定されていないか、もしくはそもそもインストールされていないことが多いです。
例えば、VPSを使ってWebサイトを公開する場合、セキュリティに関する設定を行った上で、Webサーバーソフト(Apache/nginxなど)や、各種のプログラム言語(PHPなど)をインストール・設定して、それらが正しく動作する状態にすることが必要です。
サーバーを構築するには、知識や経験が必要であり、初心者が行うにはハードルが高い作業になります。「自分では到底無理」という方は、レンタルサーバーで我慢するというのも1つの選択になります。
一方で、一念発起してサーバーの構築を勉強しつつVPSを使うのも、1つの選択です。本連載では基本的なサーバー構築手順も順次解説していく予定です。また、ネット書店で「サーバー構築」をキーワードにして検索すると、多数の解説書がヒットします。それらを参考にするのも良いでしょう。

 

■運用開始後のメンテナンスも自分で行う

VPSでは、サーバーの構築だけでなく、メンテナンスも自分で行うことになります。これもデメリットの1つです。OSやサーバーソフトには、セキュリティホール、つまりシステムの不具合やバグなどによって発生するセキュリティ面の脆弱性が見つかることもあります。そのような時には、そのOSなどをアップデートしてセキュリティホールをふさいでおくことが必要です。
レンタルサーバーであれば、標準もしくはオプションでバックアップサービスが提供されているところもあります。一方、VPSではバックアップサービスがない場合もありますが、「SuitePRO V4」では、スケジュール出来るオンラインバックアップオプションがありますし、「VPSクラウド」では、「4GBーSSDタイプ」以上には、手動のバックアップオプションを付加することができます。
サービスにバックアップ機能がないVPSでは、バックアップの仕組みを自分で構築する必要があります。

 

■クラウドや専用サーバーには及ばない面も

VPSでは、root権限が付与されることをはじめとして、専用サーバーにかなり近い使い勝手を専用サーバーよりも安価かつ簡単に享受することができます。また、クラウドともかなり近いと言えます。ただ、専用サーバーやクラウドと比較すると、機能的に及ばない面もあります。特に、大規模なシステムを構築することが必要な場合には、VPSでは十分ではない時があります。
例えば、Webサイトの運用が順調にいってアクセス数が増えた際に、それまでのサーバーでは処理能力が不足して、アクセスが重くなったり、サーバーがダウンしたりするようになったとします。この場合、クラウドであれば、より上位のプランに移行(スケールアップ)したり、サーバーを複数台にして処理を分散(スケールアウト)できることが多いです。また、サーバーを停止せずにスケールアップ/スケールアウトしたり、負荷に応じて自動的にスケールアップ/スケールアウトするようにできる場合もあります。一方、VPSではスケールアップ/スケールアウトに対応していないものもあります(特に安価なプランの場合)。
SuitePRO V4」では、スケールアップ機能を装備しています。Webアクセスなどのご利用状況に合わせて仮想サーバーのスペックを上げることが出来ます。
また、アクセス数が非常に多いWebサイトをCMSで運用する場合、CMSを複数台のサーバーに入れ、またデータベースサーバーも複数台使って、ロードバランサ(※)で負荷を分散することがあります。しかし、低価格なVPSでは、このような複雑な構成に対応しているサービスは少ないです。

(※)ロードバランサ
 負荷(Load)を複数のサーバーに分散させて、各サーバーの負荷をバランスよく分配させる仕組みのことです。サーバーへの大量のアクセスをさばく際に使われます。

 

■構築やメンテナンスを任せてデメリットを減らす手も

ここまでで述べたように、原則としてVPSでは構築やメンテナンスを自分で行うことが必要なため、レンタルサーバーと比べ導入の敷居が高いところがあります。構築やメンテナンスを誰かに任せることができれば、自分はWeb制作やプログラミングなどの仕事に専念できます。
例えば、Web制作会社などでVPSを継続的に使う必要がある場合は、サーバーの管理をするエンジニア(インフラエンジニア)を雇ったり、インフラの構築やメンテナンスを行ってくれる業者やフリーランスに依頼するという手もあります。
また、VPSのサービスによっては、その業者がサーバー構築や保守まで請け負ってくれる場合もあります。このようなVPSのことを、「マネージド(Managed)VPS」と呼びます。マネージドVPSであれば、レンタルサーバー並みの手軽さで、VPSを使うことができます。
しかし、マネージドVPSでは、初期料金や月額料金がかなり高くなるというデメリットがあります。また、マネージドVPSでは、通常はroot権限がないので、自分で自由に設定を変えたりすることはできません。

 

ご予算と、サーバー運用スキルや体制、Webアクセス負荷と合わせたサーバーに必要なスペックなどを考慮してサービスを選択することをおすすめします。

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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