VPSのメリット

今回は、VPSを使うことによるメリットを紹介します。代表的なメリットとして「root権限が付与される」という点が挙げられますが、それ以外にもいくつかレンタルサーバーとは異なるメリットがあります。

 

■root権限が付与される

■専用サーバーよりコストが安い

■ほかのユーザーの影響を受けにくい

 

■root権限が付与される

VPSのメリットの1つは、「root権限が付与され、専用サーバー並みの自由さで環境設定が出来る」という点です。
一般的に、専用サーバーではroot権限をもつことができます。root権限とは、サーバーのほぼすべての操作を行うことができる権限のことです。サーバーにソフトをインストールしたり、設定を行ったりする際には、root権限が必要になる場面が多いです。共用型のレンタルサーバーでは、サーバーの管理は個々の事業者が行っていて、root権限は事業者が持っています。そのため、利用者はレンタルサーバーではサーバー全体に関わるような設定を行うことはできません。
一方、一般的なVPSであれば利用者にroot権限が付与されます。そのため、サーバーの設定変更や、アプリケーションやミドルウェアのインストール、サーバーOSのバージョンアップなどroot権限を必要とする作業を自由に行うことができ、専用サーバー並みの自由さで環境設定ができます。

root権限があるとできるいくつか事例を紹介します。

 

Webサーバーを変更する
(Apache(アパッチ)→nginx(エンジンエックス)

通常のレンタルサーバーではWebサーバーとしてApacheがよく使われていますが、nginxはApacheより動作が軽いことから、高負荷なWebサイトではnginxを使うことが増えてきています。
また、nginxを「PHP-FPM」という仕組みと組み合わせることで、PHPのWebアプリケーションを高速に動作させることもできます。特に、Webサイトの管理でWordPressを使う場合、WordPressをnginx+PHP-FPMと組み合わせれば、ページの表示が速くなり、サイトを訪問する人を待たせることが少なくなるというメリットがあります。

 

好きなアプリケーションを使う

利用者が使いたいCMSアプリケーションの中にはレンタルサーバーでは対応していないものもあります。VPSではレンタルサーバーでは対応していない、メモリ常駐型のWebアプリケーションなどを動作させることができます。インターネットの発展に伴って、Webサーバーで動作させるWebアプリケーションも進化し、複雑化が進んでいます。共用型のレンタルサーバーでWebアプリケーションを動作させる場合、ユーザーからアクセスがあった時点でプログラムをその都度実行する仕組みになっているため、複雑化するにつれて応答が遅くなり、また負荷も増大するという問題があります。
そこで、現在ではWebアプリケーションをメモリに常駐させることで、応答を速くし、アプリケーションの起動の際の負荷を抑えるという工夫がよく行われています。レンタルサーバーでは通常はこのようなことは行うことができませんが、VPSなら可能になります。
例えば、商用CMSの1つであるMovable Typeは、一般的な共用レンタルサーバーではCGI(※)として動作させるため、管理画面の応答が重くなり、使い勝手が悪化していました。しかし、VPSでは「PSGI」というパフォーマンスを向上させるための仕組みで動作させることができ、Movable Typeをメモリに常駐させて、応答を高速化することができます。

(※)CGI(Common Gateway Interface)
 Webサーバーにアクセスがあった際に、プログラムを起動して処理を行い、その実行結果をWebブラウザに返す仕組みのことです。

 

特殊な用途のサーバーを立てる

WebサーバーやCMS以外にもLinuxで動作するソフトにはさまざまなものがあり、中には共用型のレンタルサーバーにはインストールできないものもあります。しかし、VPSを使えば、そういったサーバーを立てることもできます。例えば、次のような用途が考えられます。

・オンラインゲームのサーバーを立てて、他のユーザーと通信プレイする
・ストリーミングサーバーを立てて動画を配信する

 

■専用サーバーよりコストが安い

専用サーバーを借りれば自由度は高くなりますが、サーバー1台を丸ごと占有するためコストが非常にかかるという問題があります。業者によってコストはさまざまですが、月額で数千円~数万円かかることが一般的です。さらに、サービスによっては初期費用が数万円~数十万円程度かかる場合もあります。一方、VPSは1台のサーバーを複数のユーザーで共用するので、専用サーバーと比べるとコストは大幅に安くなります。VPSのスペックにもよりますが、月額数百円で使えるプランもあります。

また、一部のVPSでは、月単位ではなく、時間単位の料金制をとっているところもあります。「1週間だけ臨時でWebサイトを公開したい」など、1か月に満たない間だけサーバーが必要な場合、その期間だけ時間単位料金のVPSを借りるようなこともできます。

 

■他のユーザーの影響を受けにくい

共用型のレンタルサーバーは、1台のサーバーを多数(数十~数百)のユーザーで共用するようになっています。そのため、場合によっては他のサーバーの影響を受けてしまうこともあり得ます。
例えば、同じサーバーを使っているあるユーザーが、非常に負荷が高い処理を行っているとします。すると、その負荷の影響が同じサーバーの他のユーザーにおよび、処理が遅くなる、といった現象が起こることがあります。逆に、自分が他のユーザーに影響を与えてしまい、利用を一時的に止められてしまうといったこともあります。例えば、処理に時間がかかるプログラムを実行すると、CPUやメモリを長時間占有することになり、他のユーザーに影響を与えてしまいます。そのため、そのようなプログラムは一定時間で強制的に終了させられることがあります。
VPSも複数のユーザーで1台のサーバーを共用しますので、他のユーザーの影響が全くない(他のユーザーに影響を与えない)とは言えません。ただし、ユーザーごとにCPU/メモリなどのハードウェアリソースの配分が決まっているので、共用型のレンタルサーバーと比べると、他のユーザーの影響を受けにくい仕組みになっています。
一方、1台のサーバーを共用するために、サーバーの物理的なリソース(ディスクやネットワークなど)へのアクセスについては、VPSであっても他のユーザーの影響を受けることがあります。この点は、専用サーバーと比べるとデメリットになります。

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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