初心者でもOK!VPSとは?

今回の記事では、VPSが初めてという方をターゲットに、「そもそもサーバーとは何か」「なぜVPSなのか」など、VPSの基本についてお話します。

 

■VPSの前に---サーバーの基本
■レンタルサーバーでは機能・性能が不足する場面も
■専用サーバー並みの自由度を得られるVPS
■サーバーのスペックを選べる

 

■VPSの前に---サーバーの基本

Webサイトを使った情報発信や、メールでのメッセージのやり取りなど、インターネットを使った情報の発信や流通は、今ではごく当たり前のことになりました。
インターネット上で各種のサービスを提供するには、「サーバー」(Server)が必須です。サーバーはコンピュータの一種で、コンピュータに、サーバー用のOS(LinuxやWindows Serverなど)や各種のサーバーソフトをインストールしたものです。
サーバーソフトは、用途に応じて様々なものがあります。例えば、Webサイトを公開するには、「Webサーバー」が必要です(表1)。

 

表1 様々なサーバー
表1

 

ただ、サーバーのためのハードウェアを自前で用意するには、コストがかかります。サーバーは多くの処理をこなすために性能が求められますが、それには数万円~数十万円程度のコンピュータが必要です。
また、OSやサーバーソフトのインストールや設定を自分で行うには、かなりの時間がかかります。OSやサーバーにはオープンソースかつ無償で使えるものが多いですが、中には有償のものもあり(例:Windows Server)、そういったソフトを使うとさらにコストが上がります。
そのため、一般的には、「レンタルサーバー」(Rental Server)が広く使われています。レンタルサーバーは、セットアップ済みのサーバーを借りて利用する仕組みです。利用料金は業者によって異なりますが、安い業者なら月額数百円程度で利用することができます。
「とりあえず数ページの自社サイトを作って公開したい」といった程度のことであれば、レンタルサーバーで十分間に合うことが多いです。
このように、レンタルサーバーは手軽に使うことができるので、本稿をお読みの皆さまもすでにお使いなのではないでしょうか。
なお、ほとんどの場合、複数のユーザーで1台のサーバーを共用するレンタルサーバー(共用サーバー)を使うことが多いです。また、非常に大量の処理が必要な場合などには、1台のサーバーを1ユーザーだけで占有できるタイプのレンタルサーバー(専用サーバー)もあります。ただし、専用サーバーは共用サーバーよりも非常にコストがかかります。

 

■レンタルサーバーでは機能・性能が不足する場面も

インターネットが発達するのにともなって、レンタルサーバー(特に共用サーバー)では機能や性能などが不足する場面も見られるようになりました。
例えば、Webサイトの管理にはよくオープンソースのコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)プラットフォームであるWordPressが使われますが、WordPressは年々機能が増えており、またプラグインを複数組み合わせることも多いので、動作が重くなってきています。
そこで、最近ではWebサーバーとして軽量なnginx(※1)を使い、WordPressを高速動作させることが多くなっていますが、nginxは共用サーバーにはあまり向いていないので、一般的なレンタルサーバーではnginxはインストールされておらず、WordPressをnginxで動作させることができません。
かといって、nginxのために専用サーバーを借りるのは、非常にコストがかかります。よほど大規模なシステムでもなければ、専用サーバーは現実的な選択とは言えません。

(※1)nginx
ロシア製のオープンソースのWebサーバーソフトで、Apacheと比べて動作が速いメリットがあります。「エンジンエックス」と発音します。

 

■専用サーバー並みの自由度を得られるVPS

このような中で登場したのが、「VPS」です。VPSは「Virtual Private Server」の頭文字を取った用語で、一般に「仮想専用サーバー」と訳します。
「仮想」は、「仮想化」という技術から来ています。仮想化とは、大まかに言うと、1台のコンピュータの中で複数のOSを同時に動作させる仕組みのことです。それぞれのOSは独立して(他のOSの影響を受けずに)動作し、別々のコンピュータで動作しているのと同じように見えます。
VPSでは、このそれぞれのOSをユーザーにレンタルします。これによって、各ユーザーは専用サーバーを使っているのとほぼ同じ状態を得ることができます(図1)。
レンタルサーバーだと、1つのOSを複数のユーザーで共有する形なので、特定のユーザーのためにOSやサーバーソフトの構成を変えたりするようなことはできません。しかし、VPSでは各OSは独立して動作するため、各ユーザーは自由にOSやサーバーソフトの構成を変えることができます。
一方で、1台のコンピュータを複数のユーザーにレンタルする形になるため、1台のコンピュータを丸ごとレンタルするのと比べると、はるかに安いコストで借りることができます。
このように、VPSを使えば、専用サーバー並みの自由度を得られる一方で、コストはレンタルサーバー+α程度に抑えることができます。これがVPSの最大の特徴です。
ただし、VPSが常に最適というわけではなく、用途に応じてレンタルサーバーや専用サーバーと使い分ける方が良いです。このことについては、この連載の後日の回で再度解説します。

 

図1 VPSの仕組み

図1 VPSの仕組み

 

■サーバーのスペックを選べる

VPSは、ソフト的な面だけでなく、ハード的な面でも専用サーバーに近く、スペックをある程度選ぶことができます(ただし、VPSの提供業者によって、選択できるスペックの程度が異なります)。
高速な処理が必要な場合は、CPUのコア数を多くしたり、メモリを多く搭載したりすることができます。また、大量のデータを保存しておく必要がある場合は、ディスク容量を多くすることもできます。
「WebARENA VPSクラウド」では、表2のようなスペックから選択することができます。スペックを上げるほど月々の料金も高くなりますので、スペックとコストのバランスを考慮することが必要です。

表2 WebARENA VPSクラウドで選択できるスペック
表2 WebARENA VPSクラウドで選択できるスペック

 

また、サービスによっては運用開始後にスペックを変更できるものもあります。例えば、VPSでWebサイトを公開した後で、そのWebサイトの利用者が増えて負荷が上がってきたときに、より上位のスペックに変更することができます。

スペック変更をどの程度柔軟に行えるかは、個々のVPSのサービスによって異なりますので、契約する前に確認が必要です。WebARENAのもう一つのVPS「SuitePRO V4」は、表3のようなスペックから選択し、IPアドレスを変更せずにCPU/メモリ、ディスク容量を変更できます。

表3 WebARENA SuitePRO V4で選択できるスペック
表3 WebARENA SuitePRO V4で選択できるスペック

 

 

 

うちだ
サービスクリエーション本部所属        (監修:とみなが)       

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