お陰さまでWebARENA メールホスティング 5周年

中堅・中小企業向けに特化した共用ホスティングタイプのメールサービスとして「WebARENA メールホスティング」を2012年春にリリースしてから5年経ちました。
当初、売れ行きがさっぱりだったのですが、サービス品質や豊富な機能が認められ、しっかりと売れるようになってきました。2017年4月時点で1,000社超のお客さまがご利用されています。

 

1.サービスの3つの特長
2.サービスで行った技術的な工夫
3.この5年間の故障状況と稼働率

 

1.サービスの3つの特長

・高品質

長年、レンタルサーバーを提供する中でわかったのですが、企業の規模に関わらずエンタープライズレベルの高品質※なメールサービスを希望されるお客さまがいらっしゃいます。
我々はエンタープライズレベルの品質として稼働率99.99%以上を目標としています。これは年間を525,600分とした場合、0.01%未満のダウンタイム、約53分以内に収める必要があるということになります。これを実現するには、完全冗長の設備構成が必須ですし、もちろんこれを目指すオペレーションも必要となります。

・高コストパフォーマンス

このサービスはエンタープライズレベルの高品質を狙いつつ、中堅・中小企業(1社あたり数十~数百程度のメールアカウント数)をターゲットにしています。この規模のお客さまに合わせてサーバーリソースのチューニングを行うことで、お客さまに1メールアカウントあたり月額数十円~100円程度でご利用できるようサービスを設計しています。この点は、一見レンタルサーバーと比較すると少し高く見えますが、他社のエンタープライズ向けメールサービスと比較するとおわかり頂けると思います。

・多機能

中堅・中小企業(1社あたり数十~数百程度のメールアカウント数)のお客さまがお使いになる上で不足無いよう機能を追加してきました。レンタルサーバーと比較した場合にメールに特化した便利機能が10個以上多くあります。特に好評なのは「添付ファイル自動暗号化機能」です。他にも、中堅・中小企業向けでは初の機能実装(当社調べ)となる「マイナンバー自動検出機能」があります。さらに、スパム/ウィルスチェックとWebメールについて追加料金が必要無いのも特長です。
要約すると特長は次のようになります。

品質 機能 価格
WebARENA 

メールホスティング

稼働率99.99%以上目標

中堅中小企業に特化したレンタルサーバー+10以上のメール機能

レンタルサーバーよりちょっと高いが、エンタープライズ向けよりかなりお得

エンタープライズ向け

メールサービス

レンタルサーバー(NTTPC)

稼働率99.9% 以上目標

WebARENA メールホスティング機能一覧ページ

 

 

2.サービスで行った技術的な工夫

・性能の適正化(チューニング)

通常、レンタルサーバーなどのメールサービスではアカウント数無制限となっている場合が多いです。一つのサーバーを複数のお客さまで使うので、アカウント数の少ない会社と多い会社が同じサーバーの中で同居することが多々あります。こういう場合は性能のチューニングや、設備設計が難しくなります。

特に最近は、外部の不正利用者からのアカウントハックにより、スパムメールの踏み台にされてしまうケースも多くあります。こういう場合、サーバー全体の性能低下(高負荷)が発生し、そのサーバーに収容されたお客さま全員のメールサービスが利用しにくくなります。

そういった事象を防ぐ為に、「WebARENA メールホスティング」ではお客さま利用アカウント数(プラン)ごとの性能上限(安定運用の目安)を設け、適切に制御しています。

 

・お客さまごとの環境の分離(メールキュー分離)

お客さまごとの環境の分離の中で一番重要視したのはメールキューの分離です。メール故障最大の原因が、一部のお客さまの使い過ぎによる高負荷(キュー詰まり)だからです。このサービスではお客さまごとに仮想サーバーを割り当て、その仮想サーバー内にお客さまのメールシステムを配置しています。これにより、メールキューをお客さまごとに提供することを実現しています。

他のお客さまの使いすぎによる影響を受けにくいサービスになっていますので、実際に使ってみると稼働率※という数字以上に、サービスのレスポンスまで含めて見た場合、大きな品質の違いが出てきます。

※通常、稼働率はサービスのダウンタイムを元に計算します。レスポンス悪化は含まれません。

 

メールサーバー内でお客さまごとに仮想化、キューを分離

メールサーバー内でお客さまごとに仮想化、キューを分離

 

この方式で、他のお客さまから影響を受けにくい設備※を実現しました。

※サービス開始5年間で他のお客さまの影響により起きた故障はありません。

 

 

・設備の完全冗長化

シングルポイントが無いよう設備を設計/構築しています。
普通に冗長化しただけでは、サーバー内部の異常が隠れてしまい、問題化するまで解らないことがあります。これを防ぐ為に、サーバー内部の異常を検知すると、自動で上位装置からのメール転送を中止する処置(冗長化しているので処理を片側に寄せ、サービスは止めない)を行った上で、サーバーの再起動などの回復処置を行います。このように故障を未然に防いだり、故障からの回復時間を短くする為の自動処理を独自開発で実装しています。

現在、WebARENA メールホスティングは次のような構成になっています。

メールホスティング構成図

 

それぞれ以下のメーカの設備を利用しています。(2017年3月時点)
ファイアフォール:Fortinet社 Fortigateシリーズ
ロードバランサ:F5社BigIPシリーズ
メールサーバー:HP社DLシリーズ
ストレージ:netapp社 netappシリーズ

 

 

 

3.この5年間の故障状況と稼働率

この5年間でサービスとしての故障時間は延べ152分で稼働率は99.9942%でした。これらの故障はいずれも上位NW機器の不具合によるもので、メールサービスの設備やオペレーションが原因となる故障は起きていません。

 

故障内容

年月 故障個所 停止時間
2015年8月 上位NW機器の不具合 29分
2016年6月 上位NW機器の不具合 123分

 

反省点

メール設備の故障によるサービス断は起きていないのですが、1号機設備(約500ユーザ)において2016年6月頃から数ヵ月に渡って何度もパフォーマンスの低下が起きました。お客さまにはご迷惑をおかけし大変申し訳ありませんでした。

この原因は外部からの大量のスパムメールを受信した際にストレージ装置の性能が不足したことだったのですが、6年前設備を設計した際に予想したメール受信量が甘かったと反省しております。最近のスパムメールによるメール受信量の増大を加味し、ストレージ性能を見直した結果、1号機に収容したお客さま(約500ユーザ)については1年前倒しで設備更改を実施することとなりました。設計時のストレージ装置のIOPS性能について、設備設計・収容設計が甘かったと反省しております。2017年1月より新型のオールフラッシュストレージ※を導入し、1号機設備に収容されたお客さまについては2017年2月までに全て新設備へマイグレーションを完了させました。現在、ストレージ装置の性能不足に起因したパフォーマンス低下は発生しておりません。
※オールフラッシュストレージ 従来のHDDストレージに比べて10倍以上のIOPS性能があります。

NetApp オールフラッシュストレージ

新型のオールフラッシュストレージ NetApp AFF8080シリーズ

 

 

 

次回は、オペレーションと機能について掲載します。

 

 

 

とみなが
サービスクリエーション本部所属

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